
面接の質は、質問の良し悪しだけで決まるわけではない。
学生の本音や、その人らしさを引き出せるかどうかは、面接官の「聴く力」に左右される。
面接官研修では、質問項目や評価基準を確認することが多い。
もちろん、それらは大切だ。ただ、実際の面接を振り返ると、もう一つ練習が必要なものがある。
それは、相手の話を聴く力だ。
「人と話すのは得意だから大丈夫」と思っていても、面接では次のようなことが起きる。
・学生が話している間に、次の質問を考えている
・想定と違う答えが出ると、相槌で話を戻そうとする
・沈黙に耐えられず、学生が考え終わる前に言葉を足してしまう
・自社の説明が長くなり、学生が話す時間が少なくなる
これでは、学生が本来持っている経験や考えを十分に聞くことができない。
企業側は、その学生らしさを知る機会を失う。結果として、本来採用できたかもしれない学生を見逃してしまうこともある。一方で学生には、「自分を見てもらえなかった」という印象が残る。
聴く力は、性格ではない。
面接が上手な人も、最初から上手だったわけではない。経験を積み、練習し、振り返ることで身につけられる技術である。
例えば、二人一組で5分間の模擬面接を行う。
面接官役は、最後まで相手の話を聴くことだけを意識する。
終わった後は、「良い質問ができたか」ではなく、次の3点を振り返ってみる。
・相手の言葉を途中で決めつけなかったか
・答えの背景となる出来事まで聞けたか
・自分が話した時間と、相手が話した時間はどちらが長かったか
質問項目を増やす前に、まずは直近の面接を一つ選び、面接官と学生の発言時間を確認してみてほしい。
学生が話す時間が少し増えるだけでも、見えてくる情報は大きく変わる。
採用の質を高めたいのであれば、まずは面接官の「聴く力」を見直すことから始めてみてほしい。
採用研究所 谷出正直
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