
「説明会や面接で直接会えれば、自社の魅力は伝わる」
そう話す採用担当者は多い。だからこそ、多くの企業は説明会や面接の内容を改善しようとする。実際、社員と会うことで初めて良さが伝わる会社はある。
ただ、就活生は「会う」前に会社を調べている。最近は、生成AIを活用し、次のように聞くこともできる。
「この会社は、良い会社ですか」
「この業界で、○○の他にどのような会社がありますか」
「この会社は、私の希望に合いそうですか」
AIが正しい答えを出すかどうかが重要なのではない。就活生が、その回答を参考に企業を比較し、応募先を考え始めていることが重要である。
そこで特徴が分からなければ、就活生は応募や説明会を予約しないと判断することもある。企業は、選考で落とされたのではない。学生が応募先を考える段階で、候補から外れている可能性がある。
大切なのは、AI向けの文章を書くことではない。AIを変えることはできない。変えられるのは、企業自身が発信する一次情報である。就活生が判断できる事実を、企業自身が発信できているかが問われている。
例えば、次のような情報である。
・社員が実際に担当している仕事と、一日の流れ
・入社後に難しかったことと、乗り越え方
・事業で大切にしている判断基準や価値観と、その具体例
・仕事の良い面だけでなく、大変な面
・採用HP、求人票、社員の記事で説明が食い違っていないか
まず、自社名を生成AIに入れて三つ質問してみてほしい。
「この会社は、誰に、どんな価値を提供する会社ですか」
「この会社で働く良さと大変さは何ですか」
「どのような人に合う会社ですか」
答えのうち、違う点と曖昧な点に印を付ける。その上で、AIの言い回しを直すのではなく、元になった採用HPや求人票へ具体的な事実を足す。
AI時代に問われるのは、見せかけAI対策ではない。就活生が判断できる事実を、企業自身が発信し続けることである。
まずは、自社名を生成AIに入力し、どのような会社として紹介されているのかを確認するところから始めてみてほしい。
採用研究所代表 谷出正直