
応募書類の確認、面接日程の調整、説明資料づくり、よくある質問への回答。
新卒採用でも中途採用でも、これまで人が行ってきた仕事の一部を、AIに任せられるようになってきた。
採用担当者の作業時間を減らし、採用活動を効率化できることは大きい。
ただ、AIを導入して業務が効率化しただけでは、候補者から選ばれる会社にはならない。
AIの活用が進み、どの会社も連絡が早く、分かりやすい資料を用意し、質問にもすぐ回答できるようになったとする。それらが当たり前になったとき、候補者の記憶に残る差は何だろうか。
私は、面接や面談で「人とどのような対話をしたか」だと考えている。
「自分の話を途中で遮らずに聞いてくれた」
「質問に、用意した答えではなく自分の言葉で返してくれた」
「良い面だけでなく、仕事の難しさも話してくれた」
こうした体験は、「この会社で働きたい」「この人たちと働きたい」と考える判断材料になる。
企業側にとっても、書類やAIによる情報整理だけでは分からない、候補者の経験や価値観、迷いを知る時間になる。
AIで採用業務を効率化する目的は、人と向き合う時間まで減らすことではない。AIに任せられる仕事はAIに任せ、人にしかできない対話へ時間を使う。そのための効率化であってほしい。
AI導入を考えるときは、同時に次の3点を決めておきたい。
・何の作業時間を減らすのか
・浮いた時間を、どの候補者との対話に使うのか
・その対話で、企業と候補者が何を理解できればよいのか
まずは採用担当者の一週間を振り返り、「AIに任せられる仕事」と「人が時間をかけるべき仕事」を書き出してみてほしい。
そして、AIによって生まれた時間を、候補者とのどの対話に使うのかまで決めてみる。
AIを導入して何時間削減できたかだけではなく、その時間を何に使ったか。そこまで考えることが、AI時代の採用活動には必要になる。