
新卒採用の相談で、学生が会社を選ぶ基準について話すことがある。
給与、休日、勤務地、福利厚生、仕事内容、働く人。
どれも大切だが、学生が企業を探すときと、内定先を決めるときでは、それぞれの判断材料の重みが変わる。
探す段階では、給与、休日、勤務地といった条件や、業界、事業、仕事内容など、比較しやすい情報が判断材料になりやすい。就職サイトでも、こうした情報から企業を検索し、候補を絞り込むことができる。
選考が進み、複数の企業から一社を決める段階になると、それまでの条件に加えて、別の問いの重みが増していく。
「この会社で、どのような一日を過ごすのか」
「困ったときに、誰へ相談できるのか」
「面接で会った人たちと働きたいと思えるか」
探すときは「比較できる情報」が必要になり、決めるときは「自分が働く姿を想像できる情報」の重要性が増していく。この違いを押さえると、企業がいつ、どのような情報を伝えるべきかが整理しやすくなる。
学生が企業を探している段階では、給与、休日、勤務地、仕事内容、事業の特徴など、他社と比較できる情報を分かりやすく示す。
選考が進んだら、社員との対話や職場見学、具体的な仕事の事例などを通じて、「自分がここで働いたら」を想像できる情報を増やしていく。
伝えるタイミングがずれると、せっかくの情報も届きにくい。まだ企業を探している学生に抽象的な理念だけを伝えても、他社との違いを判断しにくい。内定先を迷っている学生に条件や制度を繰り返し説明するだけでは、「ここで働きたい」という実感は深まりにくい。
まずは「応募前」「選考中」「内定後」と並べ、その時点で学生が知りたいことと、現在伝えている情報を一行ずつ書き出してみてほしい。
学生が知りたいことと、企業が伝えていること。そのずれが見つかった場所が、次に見直すべき接点になる。